姫路の弁護士による刑事事件の相談

傷害罪とは?成立要件や
逮捕された場合の対処法

他人に対して、暴行を加えたことにより怪我をさせてしまった場合には、傷害罪(刑法204条)が成立します。

被害者は、怪我をしたことに驚き、警察に逃げ込むことが多く、怪我としては大きくなかったとしても、捜査機関は被害者が被害届を出している限り捜査を行います。

その結果、捜査機関に逮捕されてしまうことも少なくありません。ここでは、傷害罪についての概要や傷害罪を犯してしまった場合の対処法などをご説明します。

傷害罪とは

傷害罪は、被害者に怪我をさせたことにより成立する犯罪であるため、被害者が怪我をしているか否かが非常に重要です。被害者がどのような怪我を負い、どのくらいの治療期間を要するかどうかは、医師が作成した診断書により判断されます。

私人間のちょっとしたトラブルが原因で傷害事件に発展することが多く、傷害事件に関して弁護士への相談も少なくありません。

なお、傷害罪は、親告罪ではないため、被害者の告訴がなくても検察官は被疑者を起訴することができます。

傷害罪の刑罰

被害者に対する暴行によって怪我をさせてしまった場合には、暴行罪が成立します。

暴行罪の刑罰は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」(刑法208条)と定められていますが、傷害罪の刑罰は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法204条)と、暴行罪の刑罰に比べて、傷害罪の刑罰は、重く定められていることがわかります。

傷害罪の成立要件

傷害罪が成立するためには、①傷害罪の実行行為(傷害行為)の存在、②人の身体を傷害させたこと(傷害結果の発生)、③実行行為と傷害結果との因果関係があること、④暴行の故意があることが必要となります。以下で、各要件について詳しくご説明いたします。

傷害罪の実行行為があるか

傷害罪の実行行為とは、「人の身体に対する有形力の行使」と解釈されており、典型例としては他人に対して平手打ちや手拳で殴る等が挙げられます。

では、無形的方法又は不作為による傷害も認められるのでしょうか。判例は、「人の身体に対する有形力の行使」で足りるとだけ述べ、その方法は限定していません。「人の身体の安全」を害するのは、有形的方法でなくても可能だからです。

無形的方法又は不作為による傷害として判例が認めたものとして、性病に罹患している者が姦淫行為により性病を感染させる行為(最高裁昭和27年6月6日)、無言電話等により人を極度に恐怖にさせて精神衰弱症に陥らせた行為(東京地方裁判所昭和54年8月10日)等があります。

したがって、傷害罪の実行行為は、一般的な暴行に限らず、無形的方法又は不作為による傷害も認められているため、注意が必要です。

傷害という結果が生じた

「傷害」とは、人の生理的機能を侵害することと解されており、傷害の典型例としては、創傷や打撲傷のような外傷がある場合が挙げられます。

では、外傷が生じていなければ人の生理的機能を侵害していると言えないのでしょうか。

判例は、睡眠薬等を服用させ約6時間の意識障害にさせた場合(最高裁判決平成24年1月30日)、ラジオ等の騒音により精神的ストレスを与えて睡眠障害等に陥れた場合(最高裁判決平成17年3月29日)に傷害罪が成立すると述べ、外傷がなくても人の生理的機能を侵害していると判断しています。「人の身体の安全」を害するのは外傷に限定されないからです。この他、めまい、湿疹、中毒、病気の罹患、疲労倦怠などの外傷がない場合にも、判例は「傷害」にあたると判断しています。

実行行為と結果との因果関係があるか

傷害罪の実行行為である「人の身体に対する有形力の行使」によって、人の生理的機能を侵害したという因果関係がなければ傷害罪は成立しません。被害者に対して、暴行を加えた結果、その部位に傷害が生じた場合に、暴行行為と傷害との間に因果関係が認められることは明らかです。

では、被害者に対して暴行を加えていたが、被害者が暴行から逃亡した際に転倒し、暴行を加えた部位とは異なる部位に傷害が生じた場合に、暴行と傷害との間に因果関係が認められるのでしょうか。

確かに、加害者が暴行を加えた部位とは異なる部位に傷害が生じているため、因果関係がないように思えます。しかし、加害者の暴行がなければ、被害者は逃げ出し転倒することもありませんでしたし、加害者の暴行という行為が危険性を有していたからこそ、被害者に傷害結果を生じさせたのです。したがって、異なる部位に傷害が生じたとしても、因果関係が認められることになります。

故意が認められるか

他人に怪我をさせようと思い、暴行を加えた場合、すなわち、傷害の故意がある場合に傷害罪が成立するのはいうまでもありません。

では、他人に怪我をさせようとは思っていない場合、すなわち、傷害の故意はなく、暴行の故意にとどまる場合に傷害罪が成立するのでしょうか。

この点について、判例は、暴行の故意だけで足り、傷害の故意までは不要とされています。暴行罪(208条)は、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」と規定しており、暴行の故意で暴行を加え、人を傷害させた場合は、傷害罪に問われることを想定しています。つまり、被害者を怪我させようとする意思までなくても、被害者に暴行を加えようとする意思だけで怪我をさせた場合でも、傷害罪は成立するとされています。

傷害罪の時効

傷害罪の時効は10年です。

傷害行為を行ったとしても、起訴されることなく10年間を経過すれば、検察官は、今後、傷害行為について起訴することができなくなります。

もっとも、刑事事件としての時効が成立した場合でも、民事事件としての時効が完成しておらず損害賠償を請求される場合もあるので注意が必要です。

外傷のない場合 でも傷害罪になりうる

「傷害」とは、人の生理的機能を侵害することをいいますが、外傷がなくても人の生理的機能を侵害していると評価されることがあります。

近時の判例では、睡眠薬等を服用させ約6時間の意識障害にさせた場合(最高裁判決平成24年1月30日)、ラジオ等の騒音により精神的ストレスを与えて睡眠障害等に陥れた場合(最高裁判決平成17年3月29日)に傷害罪が成立するとされています。

傷害罪で逮捕されたときの対処法

傷害罪で逮捕されてしまった場合でも、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分ないし減刑される可能性が高くなります。

被害者との示談を成立させるために最も重要なことは、被疑者が被害者に対して、真摯に謝罪することです。被害者に対して怪我を負わせたにもかかわらず、何ら謝罪することなく金銭的な解決だけを求めても、被害者は到底受け入れてくれないでしょう。

被疑者が真摯に反省していることを被害者に伝えるためには、謝罪文等を読んでもらうことが効果的です。しかし、被害者は被疑者と接触することを拒むことが多いため、弁護士を通して謝罪文を渡し、自らが反省していることを伝えましょう。そうすることにより、被害者の感情を和らげることができ、示談を成立させることが可能となります。

傷害罪の示談・被害弁償について

傷害事件を起こしてしまった場合でも、被害者との間で示談が成立すれば不起訴処分を獲得できる可能性は高くなります。示談をするにあたり、被害者に一定の金額を支払わなければなりませんが、示談金の相場を述べることは困難です。ただ、被害者が負った傷害の程度が大きかったり、被害者が通院のために会社を休む等した場合には、示談金は多額になる可能性があります。

一般的に示談金の相場を述べることが困難であることは既に述べましたが、傷害罪の罰金額(刑法204条)は示談金額の一応の目安になると考えられます。

傷害事件を起こしてしまったら、弁護士へご相談ください

傷害罪を犯してしまった場合には、早期の段階で、弁護士に相談することをお勧めします。事件直後に被害者に謝罪をすることで、被害者の感情を和らげることができ、示談が成立する可能性が高くなります。

傷害事件では、被害者との示談が成立しているかどうかが非常に重要です。被害者との示談が成立していれば不起訴処分を獲得できていたにもかかわらず、被害者との示談が成立していないことにより、略式起訴による罰金を科せられたり、公判請求による懲役を科せられる場合も十分に考えられます。

傷害事件で、被害者との示談を成立させ不起訴処分を多く獲得してきた弊所であれば、ご依頼者様の利益になる弁護活動をすることができると考えます。 まずはお気軽にご相談ください。

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