任意出頭とは?
目的や出頭を拒否できるか知りたい!
目次
任意出頭とは
任意同行と任意出頭の違い
任意同行は自宅や勤務先などに来た警察の求めに応じ、交番や警察署に同行することで、任意出頭は手紙や電話による出頭の要請に応じて警察署などに出頭することです。
任意同行について詳しく見る任意出頭の目的とは
任意出頭は、逮捕という強制的な身柄拘束の手続(つまり被疑者にとって不利益な処分)を取ることなく、被疑者の取調べを行うために行われます。
任意出頭を拒否できるか
任意出頭はその名の通り、任意に出頭に応じるものですから、拒否することもできます。
ただし、任意出頭に応じないことで逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕につながってしまう可能性があります。可能な限り、任意出頭には応じた方がよいでしょう。
拒否した場合
任意出頭を拒否した場合、捜査への非協力的な姿勢から逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕につながってしまう可能性があります。
また、一定の軽微な事案については被疑者が正当な理由なく出頭に応じないことが逮捕の要件とされているところ、その条件を満たし、逮捕されやすい状況を自ら作り出してしまうことになります。任意出頭を拒否した場合、これらの不利益があります。
事情聴取はどのような内容か
被疑者として任意出頭を求められ、出頭して事情聴取を受ける場合、聞かれる内容は逮捕された場合に受ける取調べと同じく、事件の犯人であると疑われている者(被疑者)に対する質問であり、逮捕された場合と比較して問いかけの口調などの違いはあっても、質問内容としては同じようなものになるでしょう。
逮捕されることはある?
任意出頭に応じないことが逮捕の要件とされている一定の軽微な事案を除き、任意出頭に応じていても、逮捕の理由と必要がある、すなわちその被疑者が捜査されている特定の犯罪を犯したことについて相当程度の高い疑いがあり、かつ逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合には、任意出頭からそのまま逮捕される可能性があります。
逮捕後の流れについて詳しく見る取り調べの途中退席は可能?
任意に応じている以上、途中退席は可能です。
ただし、あまりに早く途中退席し、捜査に非協力的な態度を取るなど、実質は任意出頭の拒否と変わらないような場合は、最初から出頭に応じなかった場合と同じく、逮捕につながってしまう可能性があります。
事前に対策をしておきましょう
任意出頭を要請された場合、自分だけで臨むと、勝手が分からないまま、警察に誘導されるがままに受け答えした、自分の体験したことと異なる内容の調書にサインさせられるということにもなりかねません。
任意出頭する前に弁護士に相談・依頼することで、事情聴取に臨むにあたって注意すべきこと、やってはいけないことや、質問に対して答えるべきこと、答えるべきでないことなどについて打合せを行い、不当な捜査等により不利益を受けることを防ぐための対応をすることができます。
任意出頭に関するよくある質問
任意出頭の日程を何度も変更すると不利になりますか?
日程調整が複数回に渡る場合も、変更・調整が必要な理由がもっともであれば、問題ないでしょう。
一方で、大した理由がないにもかかわらずキャンセルや変更を繰り返していると、任意出頭に応じる気がないものと判断され、逮捕につながる可能性があります。やむを得ない事情により日程変更を要する場合は、その理由をきちんと説明し、捜査に非協力的であるという印象を持たれることを出来るだけ避けられるようにしましょう。
警察と検察からの呼び出しで違いはありますか?
いずれの呼び出しも事件について聞かれ、調書を作るなどするために行われるものであり、大きな違いはありませんが、検察からの呼び出しは警察にてある複数回の呼び出し・事情聴取を受けた後に、その総まとめとしての内容を聞くために行われます。
任意出頭の際に自白すれば減刑の可能性はありますか。
任意出頭時に自白した場合、取調べを受けている事件という犯罪事実の存在が明らかになっており、また犯人についてもその被疑者が事情聴取を受けている以上、自首は成立しませんし、自白それ自体を理由として減刑されることはありませんが、反省していることを示す情状の1つとして、ほかの情状と併せて量刑上考慮されることはあります。
地方に住んでおり、関東の警察署へ任意出頭が求められたのですが出頭拒否しても良いですか?
捜査を行うのは事件が発生した地域を管轄する警察署です。そのため、自宅から遠く離れた関東で犯罪を行った場合、関東の警察署から任意出頭を求められることになります。
遠方への出頭であっても、交通費等の費用は自己負担となります。遠方であっても、出頭を拒否すれば逮捕の可能性が出てくるなどの不利益が生ずることは近場の警察署の場合と同様です。
任意出頭の連絡がありお困りなら弁護士が力になります
任意出頭を求められている場合、要請に応じて出頭することが重要ですが、そこで受ける事情聴取への対応もまた、とても重要なものになります。弁護士にご相談いただくことで、任意出頭での事情聴取に際してのアドバイス・サポートを行うことができ、また任意出頭を経て逮捕されてしまった場合には速やかに弁護活動を開始することができます。任意出頭の連絡があった場合、まずは速やかに弁護士にご相談ください。
この記事の監修
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兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。