勾留とは?
勾留の流れや期間、対応策について
ここでは「勾留」について解説しています。勾留請求がされるまでの流れや期間、勾留された場合の対応策などを解説していきます。
目次
勾留とは
勾留とは、被疑者や被告人を、逃亡や証拠の隠蔽を防ぐという目的で、警察署の留置場などの刑事施設に拘束することを言います。逮捕のみの場合には、最大72時間で釈放されることになりますが、勾留された場合には、より長期間、刑事施設に収容されてしまうことになります。
勾留される要件
勾留については、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、それに加えて、①住居が不定であること、②証拠隠滅のおそれがあること、③逃亡のおそれがあることのうちいずれか一つでも該当した場合に、裁判官が勾留を認める可能性が高くなります。
罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある
「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」について、犯罪を犯したことが相当程度の可能性をもって認められれば足りると考えられています。身体を拘束する以上、犯罪を犯したことが相当程度認められなければ、勾留できません。
住居不定である
勾留される要件として「住居不定であること」が挙げられています。住居が不定であると、今後の捜査で必要なときに呼び出しをすることができなくなります。
その場合に備えて、住居が不定である場合には、勾留が許可される可能性が高くなります。例えば、逃亡生活や野宿をしている場合はもちろん、住所や居所があったとしても、具体的な住居がわからない場合には、「住居不定」とされることがあります。
証拠隠滅のおそれがある
勾留される要件として「証拠隠滅のおそれがあること」が挙げられており、証拠に対する不正な働きかけによって、判断を誤らせたり、捜査や公判に影響を与えるおそれがあることをいいます。証拠隠滅の対象は、「物証」のみならず、「人証」も対象とされています。被疑者や被告人の身柄を拘束しなければ、勾留請求の対象となった被疑事実に関する証拠を隠滅する可能性が相当程度見込まれるかどうかによって決まります。
逃亡のおそれがある
勾留される要件として「逃亡のおそれがあること」が挙げられており、被疑者が刑事訴追や刑の執行を免れる目的で裁判所に対して所在不明になることをいいます。
被疑者や被告人の所在は判明しており、今後所在場所が変わる可能性はないものの、捜査機関の出頭要請に応じないおそれが高い場合には、「逃亡のおそれが高い」と判断されることになります。
勾留と拘留の違い
「勾留」に似た言葉に「拘留」という言葉がありますが、意味は全く異なります。 既にご紹介したとおり「勾留」とは、被疑者や被告人を、警察署の留置場などの刑事施設に拘束することを言います。他方、「拘留」とは、刑罰のうちの一つで、1日以上30日未満の間、刑事施設に拘束する刑罰です。
勾留までの流れ
警察官に逮捕された場合、48時間以内に検察官に送致しなければなりません。検察官が警察官から送致を受けて24時間以内に、勾留請求をするかどうかを判断することになります。警察官が逮捕し、検察官が勾留請求をするまでの時間は、72時間以内に行わなければならなりません。
勾留請求
検察官が被疑者を勾留することなくそのまま釈放すると、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断した場合には、裁判官に対して、被疑者を勾留するよう求めます。このことを勾留請求といいます。
勾留質問
検察官から勾留請求を受けた裁判官は、被疑者を勾留するかどうかを判断するために、被疑者に対して質問をします。そのことを勾留質問といいます。
勾留質問の際、裁判官は被疑者に対して、被疑事実に誤りがあるかどうかの意見を聞きます。身に覚えがない容疑をかけられている場合には、しっかりとその旨を主張しましょう。
勾留後の処分
勾留がされれば最大20日間の間、捜査機関は、被疑者等に対する取調べ・捜査を行います。検察官は、最大20日間の勾留期間で、被疑者を起訴するかどうかを決定することになります。
もっとも、検察官が被疑者を起訴したとしても、直ちに身柄拘束から釈放されるわけではなく、被告人となった場合でも、逃亡や証拠の隠蔽を防ぐ必要性が高く、警察署の留置場などの刑事施設に拘束するべきであると判断されれば、起訴後に勾留されることになります。
釈放と保釈
釈放と保釈という言葉は似ていますが、意味は全く異なります。
「釈放」は、捜査機関が被疑者の身柄を解放することをいい、「保釈」は、起訴された後に、一定額の保釈保証金を納付し、被告人に対する勾留の執行を停止し、身体拘束から解放することをいいます。
勾留の期間
ここでは勾留の期間についてご説明いたします。
起訴前の勾留・勾留延長
検察官の勾留請求に対して、裁判官が勾留を許可した場合、勾留期間は10日間となります。その後、検察官が、被疑者に対して今後も捜査を行う必要があると判断した場合には、最大10日間を勾留の延長を請求することができます。その請求に対して、裁判官が勾留を延長するべきと判断した場合には、最大10日間の勾留が延長されることになります。
起訴後の勾留
検察官が、被疑者を起訴した場合、原則としてその後も身柄が勾留されることになります。
起訴後の勾留は、原則として2か月間身柄が拘束されますが、1か月毎に更新されることになります。
そして、被告人に対する「保釈」は、起訴後勾留から認められることになります。
勾留の延長
勾留の期間は、刑事訴訟法上、原則として10日間と規定されていますが、「やむを得ない事由」が存在する場合には、勾留の期間を最大10日間延長することができるとされています。
もっとも、勾留の期間延長に対しては、「準抗告」という手段により争うことができます。
勾留延長の「やむを得ない事由」
勾留の期間を延長するには、「やむを得ない事由」が必要であることは上述したとおりですが、「やむを得ない事由」とはどのような事由のことを言うのでしょうか。
最高裁判所は、「やむを得ない事由」とは、事件の困難性、あるいは、証拠収集の遅延若しくは困難等により勾留期間w100を延長して更に調べるのでなければ起訴若しくは不起訴の決定をすることが困難な場合を解するのが相当であると判断しています。例えば、勾留の期間を延長しなければ捜査を完了することができない場合、検察官が当該事件の処分を決定することができない場合等です。
勾留中の面会
一般面会は、被疑者若しくは被告人が勾留されているときに認められています。もっとも、当該被疑者若しくは被告人に対して、「接見禁止処分」が付されている場合には、弁護士以外の一般面会が禁止されています。
勾留を回避するためには
勾留は、逮捕されてから遅くとも72時間以内に勾留か否かの判断が下されることになります。したがって、勾留を避けるためには72時間以内に弁護活動を行わなければなりません。例えば、検察官に対して勾留請求をするべきでないという意見書を提出、裁判官に対して勾留を却下するべきであるとの意見書を提出、裁判官の勾留決定に対して異議を申し出る等の弁護活動を行う必要があります。場合によっては、裁判官に直接面談し、勾留するべきでないことを主張することもできます。
そのような活動をすることにより、勾留を避けることができ、より早期に身柄を解放させることができます。
勾留決定に納得がいかない場合の対応
裁判官が行った勾留決定に対して不服がある、裁判所が行った勾留決定に対して、「準抗告」や「勾留取消請求」を主張することができます。当該請求が正当であると判断された場合には、被疑者を身柄拘束から解放することができます。
もっとも、裁判所の勾留決定に対する準抗告や勾留取消請求は、とてもハードルが高く、豊富な経験が不可欠であるといえます。
勾留された場合の弁護活動について
勾留されたとしても決して諦めてはいけません。勾留されたとしても、不起訴処分を獲得することにより、早期に身柄拘束から解放させることができます。
被害者との間で示談が成立した場合には、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。また、起訴後に勾留されている場合には、保釈をすることによって、身柄拘束から解放させることができます。 一般的に接見禁止処分がなされている場合には、一般面会が禁止されているものの、弁護士は被疑者に面会することができます。
勾留されていたとしても、様々な弁護活動を行うことができるのです。
勾留を回避したい、釈放・保釈してほしい場合は、早急に弁護士へ相談を
ある事件で逮捕されてしまったが、勾留を回避したい、勾留されてしまい、早期に釈放・保釈してほしいという方は多いと思います。
早期段階で、身体拘束から解放するためには、知識のみならず、迅速な対応が不可欠です。 勾留に対する弁護活動を多く扱った弊所であれば、少しでもご依頼者様の力になれると思います。 迅速に行動するとともに、事件の問題点を適切に把握し、最善の弁護活動を行います。 まずはお気軽にご相談ください。
この記事の監修
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兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。