監修弁護士 松下 将弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所 副所長 弁護士
交通事故に遭ったとき、弁護士に依頼すれば早期解決や示談金の増額が期待できる一方で、弁護士費用がかかるので、依頼をためらう方も多いかと思います。
このとき、【弁護士費用特約】を利用すれば、10万円までの法律相談料や300万円までの費用を保険会社が負担してくれるので、経済的な負担を大幅に抑えることができます。
では、【弁護士費用特約】が付帯していない場合、どうすればよいのでしょうか?
本ページでは、
・弁護士費用特約がなくても弁護士に依頼すべきケース
・特約がない場合の対処法
などについて解説していきます。
目次
弁護士費用特約なしの場合の対処法
弁護士費用特約は、自動車の任意保険に付帯されていることが多いです。
もし、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約が付帯されていない場合、どうすればよいのでしょうか?
次に挙げる2つの対処法について、次項で詳しくみていきましょう。
《弁護士費用特約がない場合の2つの対処法》
- 対処法1:自動車保険以外の保険を確認する
- 対処法2:家族や同乗者の保険を確認する
自動車保険以外の保険を確認する
自動車保険に付帯されていることの多い弁護士費用特約ですが、ほかの保険やクレジットカードに、自動車保険と同様の弁護士費用特約がついていることがあります。
ご自身の加入する保険会社やカード会社に問い合わせてみましょう。
《弁護士費用特約が付帯されている可能性がある保険の一例》
- バイク保険
- 自転車保険
- 火災保険
- 建物・家財保険
- 医療保険
- 生命保険 など
◆ 交通事故では特約が使えない場合がある?
弁護士費用特約で、すべての被害の補償が受けられるわけではありません。
交通事故は補償の対象外となるケースもあるので、保険会社やカード会社に連絡して、交通事故で補償が受けられるかを確認しておくと安心です。
家族や同乗者の保険を確認する
交通事故のときに使える弁護士費用特約は、ご自身が加入する保険だけとは限りません。
弁護士費用特約は、契約者本人以外にご家族や同乗者の方が補償の対象範囲となる場合もあるので、ご家族や同乗者の方が加入する保険の約款を確認してみましょう。
《弁護士費用特約の一般的な対象範囲》
- 契約者本人
- 契約者の配偶者
- 同居の親族
- 別居の未婚の子
- 契約自動車に搭乗している人
- 契約自動車の所有者 など
特約がない場合、弁護士費用はどれくらいかかる?
いろいろ調べても弁護士費用特約を利用することができない場合、弁護士費用は自己負担となりますが、どのくらいかかるのでしょうか?
弁護士に支払う一般的な費用(相談料、着手金、実費、成功報酬)の目安を、以下で詳しくみていきましょう。
相談料
相談料とは、弁護士に法律相談をする際に発生する費用のことです。
相談料の相場は、30分あたり5000円(税別)です。
相談料は時間単位や相談回数で料金が設定されていることが多いですが、弁護士法人ALGを含め、「交通事故の被害に遭われた方への無料相談」を行っている事務所や、「初回30分無料」、「初回相談無料」という事務所もあるので、気になる事務所に問い合わせてみるとよいでしょう。
着手金
着手金とは、弁護士に依頼した際に支払う費用のことです。
弁護士が弁護活動に着手することへの対価なので、弁護活動の結果にかかわらず発生し、途中解約しても基本的に返金されません。
交通事故での着手金の相場は20万~50万円程度で、少なくとも10万円ほどかかることが多いです。
もっとも、弁護士法人ALGを含め、着手金を無料とする事務所もあるので、着手金が必要かどうかや、着手金を払った場合にどのようなことを行ってもらえるのかを確認することが大切です。
成功報酬
成功報酬とは、弁護活動の成功の程度に応じて、事件が終了した際に支払う費用のことです。
弁護士に依頼した成果があった場合に限り発生する費用なので、弁護士活動がまったく不成功に終わった場合は成功報酬が発生しません。
交通事故での成功報酬の相場は、獲得した示談金の10~20%程度です。
弁護士法人ALGを含め、成功報酬は「獲得した金額(経済的利益)の●%」と設定されていることが多く、成功の程度に応じて変動するため、獲得した示談金が高額になるほど、成功報酬も高くなる傾向にあります。
実費
実費とは、交渉や裁判などの弁護士活動にあたって実際に支出した費用のことです。
多くの事務所は、着手金や成功報酬とは別に実費が請求されます。
《交渉や裁判にかかる実費の一例》
- 交通事故証明書やカルテなど、資料の取得費用
- 裁判所に納める印紙代と予納郵便切手代
- 出張の際の交通費や宿泊費
- 通信費
- 鑑定費用
- コピー代 など
まずは交通事故チームのスタッフが丁寧に分かりやすくご対応いたします
弁護士費用特約がなくても弁護士に依頼すべき?
弁護士費用特約がない場合、自己負担となる弁護士費用は決して安いとはいえません。
弁護士に依頼すれば示談金の増額が期待できるとはいえ、「費用倒れ」のリスクもあるので、特約がなくても弁護士に依頼すべきかどうか、次項で解説していきます。
物損の場合
死傷者のいない「物損事故」の場合、弁護士に依頼すべきかは判断がむずかしいです。
なぜなら、物損事故は弁護士が介入しても示談金の増額が少なく、費用倒れとなるリスクが高いためです。
費用倒れしなくても、弁護士費用を支払うことで受け取った示談金が減ってしまうこともあり得るので、「過失割合に納得できない」、「損害額に折り合いがつかない」など、物損事故でお困りの方は、一度弁護士に相談したうえで見積もりを出してもらって、弁護士に依頼するかどうかを判断するのもひとつの手段です。
人身事故の場合
死傷者が生じた「人身事故」の場合、次に挙げるケースでは弁護士費用特約がなくても費用倒れのリスクは低く、弁護士に依頼すべきと考えられます。
- 治療期間が長引いた場合
- 事故の怪我で入院・手術が必要になった場合
- 後遺障害が残った場合
- 死亡事故の場合 など
《人身事故でも費用倒れのリスクがある》
人身事故でも、怪我がすり傷や軽い打撲などの軽微な事故や、被害者側の過失割合が大きい事故では費用倒れのリスクがあるので、まずは弁護士に相談して費用倒れの可能性がないか、確認してみましょう。
費用倒れのリスクがないかは確認してもらえる
弁護士費用特約がなくても費用倒れのリスクがないかどうかは、弁護士に相談し、見積もりを出してもらって確認することができます。
ほかにも、着手金がかからない完全成功報酬型の弁護士に依頼するという方法もあるので、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人ALGでは、ご相談いただいた際に事故の状況、怪我の状態、治療の経過などをうかがったうえで、費用倒れの可能性をお伝えしていますので、弁護士費用特約がない方も、まずはお気軽にご相談ください。
弁護士費用特約に加入していなくても、まずはご相談ください
弁護士費用特約は、経済的な負担を大幅に抑えることができる、心強い味方となるサービスである一方、その存在を知らずに特約を付帯していない方も一定数いらっしゃいます。
「弁護士費用特約がないから」とあきらめる前に、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士費用特約がなくても、弁護士に依頼すべきケースは意外と多くあるので、ご自身が受け取れる示談金の目安や費用倒れの可能性についてお知りになりたい方は、一度弁護士法人ALGまでご相談ください。
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保有資格弁護士(兵庫県弁護士会所属・登録番号:57264)