遺言書を残す?残さない?遺言書を見つけたら?遺言書の疑問やトラブルは弁護士へ

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遺言書を遺す方

遺言書とは、亡くなってしまった後、財産を誰にどのように分けるのかということを示したものです。ここでは、遺言書全般に関するご説明をいたします。

遺言書の種類

遺言書は大きく分けて、普通方式により作成する遺言と特別方式により作成する遺言が存在しています。普通方式により作成する遺言書は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類が存在し、特別方式により作成する遺言は、緊急時遺言・隔絶地遺言が存在しています。

特別方式により作成する遺言は、事故や災害などにより身に危険が差し迫っているような場合に利用できる遺言であり、普通方式により作成する遺言は、それ以外の通常の場合に利用できる遺言です。

以下では、普通方式により作成する遺言についてご説明いたします。

遺言書の効力で指定できること

遺言書の効力により指定できることは多岐にわたります。

身分に関すること(認知、未成年後見人の指定、後見監督人の指定)、相続に関すること(推定相続人の廃除及び排除の取消、相続分の指定又は指定の委託、特別受益の持戻の免除、遺産分割方法の指定又は指定の委託、5年以内の遺産分割の禁止、相続人相互の担保責任の指定、遺留分減殺方法の指定)、財産の処分に関すること(遺贈、寄付行為、信託の設定)、その他(遺言執行者の指定、祭祀承継者の指定)等を指定することができます。

遺言書の作成費用

自筆証書遺言の場合、公証人が関与しない遺言書であるため、ご自身で作成する場合には、作成費用を必要としません。

秘密証書遺言の場合、遺言書を作成するにあたっては公証人の関与はないため、公正証書遺言に比べて安価で作成することができます。

公正証書遺言の場合、公証人が関与する遺言書であるため、作成手数料、遺言書正謄本の交付手数料、必要書類の交付手数料等が必要となり、対象とする財産によって金額が変わります。

遺言書の書き方

自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自ら書き、押印して作成する遺言書です(民法968条)。自筆証書遺言は、特別な決まりがなく、いつでもどこでも作成することが可能です。

公正証書遺言は、2人以上の証人が立ち会い、遺言者が公証人に対して遺言の趣旨を口頭で伝え、公証人が作成する遺言書です(民法969条)。

秘密証書遺言は、遺言者が署名押印した遺言書を封じ、2人以上の証人と公証人に封書を提出して作成する遺言書です(民法970条)。

パソコンで遺言書を書く方法

公正証書遺言や秘密証書遺言については、パソコンを用いて遺言書を作成することができます。

他方、自筆証書遺言は、遺言者が「全文、日付、氏名」について自筆しなければならないことが規定されているため(民法968条1項)、パソコンで作成することはできません。なお、平成31年の民法改正により、財産目録については、署名押印があればパソコンを用いて作成することができるようになりました(同条2項)。

作成後の遺言書の保管方法

公正証書遺言の場合、公証役場に保管されることになりますので、誰かに改ざんされるおそれもなく、保管することができます。

他方、自筆証書遺言や秘密証書遺言を作成した場合、その後の保管方法については、注意しなければならなりません。なぜなら、誰にでもわかるようなところに保管しておくと誰かが改ざんしてしまう可能性がありますし、逆に誰もわからないところに保管しておくと誰にも見つけてもらえない可能性があるからです。弁護士等の専門家に保管を依頼すると誰かに改ざんされるおそれもなくなります。

遺言書を訂正したくなった場合

「遺言書を作成したものの、後に訂正したくなった。訂正することは可能か」という問題があります。結論として、適切な方法によれば訂正することは可能です。

自筆証書遺言や秘密証書遺言についての訂正方法とは、「遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押す」という方法です(民法968条3項、970条2項)。訂正する際に使用する印は、遺言書の中に使用した印でなければなりません。

他方、公正証書遺言の場合、自筆証書遺言や秘密証書遺言のように訂正することはできません。したがって、公正証書遺言の内容を変更したい場合には、一から作り直す必要があります。もっとも、僅かな訂正であれば、更正証書や補充証書を公証役場で作成することで、訂正することが可能です。

遺言書を受け取った方

ここでは、遺言者が作成した遺言書を受け取った方に注意していただきたい点をお伝えします。

遺言書には開封方法がある

自筆証書遺言や秘密証書遺言を見つけた場合、適切な方法により開封しなければなりません。遺言書を保管している者は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所に提出し、その検認を受けなければなりません(民法1004条1項)。家庭裁判所の検認を受けることなく開封してしまった場合には、5万円以下の過料に処される可能性があります(民法1005条)。

もっとも、公正証書遺言は、公証人が関与して作成されたものであるため、自筆証書遺言や秘密証書遺言とは異なり、裁判所の検認を受けることなく開封することができます(民法1004条2項)。

遺言書は絶対か。無視して遺産を分けてもいい?

「遺言書があったが、内容に納得できない。遺言書を無視した遺産分割は可能か」という質問をよく耳にします。

結論として、遺言書を無視した遺産分割を行うことはできません。遺言者の意思が尊重されるべきであるからです。これについて最高裁判所平成3年4月19日の判決も、遺言書が存在している場合には、遺産分割の余地はないと判断しています。

しかし、相続人全員が、遺言書の内容とは異なる遺産分割協議をし、その内容に同意している場合には、遺言書を無視した遺産分割を行うことは可能です。

遺言書に関するご質問

ここでは、遺言書に関する質問について、回答いたします。

遺言書に書かれていない・書いていない財産はどうなりますか?

遺言書が存在している場合は、遺言者の意思に従い、遺言書が優先されるべきであります。しかし、遺言書に書かれていない・書いていない財産については、遺言者は何ら意思表示をしていないことになります。したがって、遺言書に書かれていない・書いていない財産については、遺言書の効力は及ばず、相続人間で遺産分割協議を行わなければなりません。

身寄りがない場合、遺言書を書いても意味が無いように思えるのですが。

身寄りがいない人が亡くなってしまい、遺言書がなかった場合には、①相続財産管理人が選定され、②債権者・受遺者への支払い、③相続人がいないことの確認がされ、④特別縁故者への分与という流れを経て、それでも相続財産が余る場合には、国庫に帰属されることになります。

身寄りがない人でも、財産を受け取ってほしい人物がいる場合には、遺言書を作成しておくとよいでしょう。

遺言書に有効期限はありますか?

遺言書について、有効期限は規定されていません。したがって、10年以上前に作成された遺言書であっても有効です。

認知症の親が作成した遺言書は有効になりますか?

遺言書を作成が有効であるためには、①15歳以上であること(民法961条)、②遺言能力があることが必要です。遺言能力があるかどうかについて、認知症であることのみをもって、判断されるものではなく、病状、心身の状況、遺言書作成前後の行動等によって総合的に判断されます。

したがって、認知症の親が作成した遺言書といって、直ちに無効となるとは限りません。

遺言書に関するトラブルは、弁護士への依頼で予防・解決できる場合があります

遺言書の作成は、遺言者にとって最後の意思が表示されるものです。遺言書が存在しているというだけで、相続人間の争いを防ぐことができます。したがって、遺言書を作成しておくべきといえます。

遺言書の作成について民法において様々な規制がされ、他方、遺言書の開封についても様々な規制がされています。

弊所の弁護士は、遺言書に関するトラブルを多く解決した実績があります。弊所の弁護士に相談することで、遺言書に関するトラブルを予防・解決することができます。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修

姫路法律事務所 所長 弁護士 西谷 剛
弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所 所長弁護士 西谷 剛
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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