相続財産調査 | 財産の種類や調査方法

相続財産調査 | 財産の種類や調査方法

被相続人の死亡により相続が開始した後、相続人間で遺産を分割するか、相続放棄をするかを決める前に、まずは相続財産にどのようなものがあるかを調査する必要があります。

相続財産には、家・土地、株、預貯金などのプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も含まれ、いずれもきちんと調査しなければなりません。

相続財産調査の重要性

遺産分割にあたっては、相続の対象となる財産が分からなければ、分割をすることができません。

また、遺産を相続する場合はプラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続することになるため、プラスの財産だけを見て相続してしまい、知らない間に大きな借金を背負ってしまう可能性があります。そのため、借金などのマイナスの財産も含めて明らかにしなければなりません。

遺産分割が終わった後に新たな相続財産の存在が発覚した場合、その価額によっては遺産分割協議のやり直しが必要になりかねませんし、相続放棄をした後では多額の預貯金の存在が発覚しても基本的に相続放棄を撤回して遺産を受け継ぐことはできません。

遺産分割や相続放棄に先立つ相続財産調査の際に全ての財産が明らかになるよう、しっかりと調査しなければなりません。

相続財産にあたるもの

プラスの財産の種類

プラスの財産としては、建物・土地などの不動産、預貯金、現金、株などの有価証券、宝石や貴金属、骨とう品などの動産が挙げられます。

マイナスの財産の種類

マイナスの財産としては、借金、住宅ローン、未払いの税金などの債務があります。

被相続人本人が借りた借金などのほか、被相続人が誰かの借金の保証人になっている場合、その保証債務もマイナスの財産として相続の対象となります。

相続財産調査の流れ

相続財産調査の流れは、プラスの財産とマイナスの財産を調査し、判明した財産について財産目録を作成する、というものです。こう書くと簡単なように思えますが、4以降で説明するように、実際に調査してみると大変なことも少なくありません。

財産調査に期限はある?

財産調査自体に期限はありませんが、相続放棄を行う場合、相続の開始を知った時から3か月以内に行う必要があります。

そのため、相続放棄を行う可能性があれば、相続財産調査もその期間内に行わなければなりません。財産の数量や性質等から期間内に調査を終えられない場合は相続放棄をするまでの期間の延長が認められることがありますが、必要な調査を怠った挙句に期間を過ぎてしまえば、相続放棄をしようとしても認められない可能性が出てきます。

預貯金の調査方法

被相続人がどこの金融機関に預貯金を有していたかについては、遺品中の通帳・カード、金融機関からの郵便物等により知ることができます。ゆうちょ銀行やメガバンクなど、全国に支店のある金融機関であれば、全店照会により全国のどの店舗により口座があるかを知ることができます。

預貯金のある金融機関が判れば、残高を確認する資料として残高証明書や取引証明の発行を請求します。

相続人に気付かれなかった口座はどうなるか

相続の際に相続人に気づかれなかった口座はそのまま年数が経てば10年以上入出金がない休眠口座となります。

休眠口座の預貯金は預金保険機構に移され、民間の公益活動への助成金等に使われることになりますが、預金保険機構に移された後で相続人がそうした遺産の存在を知ったという場合でも、解約して払戻しを受けることは可能です。

不動産調査の方法

不動産については、遺品中の登記に関する書類や固定資産税の通知などから知ることができます。

また、被相続人が不動産を有している可能性のある自治体に名寄帳(固定資産台帳)を請求して発行を受けることで当該自治体にある相続財産の不動産を知ることができますが、複数の市区町村に不動産を有していそうな場合は、可能性のある全ての自治体に名寄帳を請求する必要があります。

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株式の探し方

株式については、遺品中の証券、残高通知などの証券会社からの書類をもとに、被相続人がどの会社の株式を持っていたか、どの証券会社で株の取引きを行っていたかなどを知ることができます。

株式を持っている会社からは株主総会や配当についての通知が定期的に届いている可能性が高く、そこからも知ることができます。

また、証券保管振替機構に情報開示請求を行うことでも、どの証券会社に株取引の口座を持っていたかを知ることができます。

借金の調査方法

借金については、遺品中の預金通帳や消費者金融のカード、金融機関からの郵便物などから知ることができます。

被相続人の口座から定期的な引落しがあれば、公共料金やローンの支払いをしている可能性が高いといえます。

また、税金の滞納などもマイナスの財産となる負債といえ、自治体からの郵便物などで知ることができます。

連帯保証人になっていないか調査する方法

被相続人が他人の債務の保証人になっている場合、保証人として負う保証債務は相続人に引き継がれることになります。

遺品の中に保証人になった際の契約書などがあれば知ることができますが、保証人として債務を支払えという通知が来て初めて被相続人が保証人になっていたことが判ることもあります。

被相続人が保証人になっている可能性がある場合、相続により損はしたくないがひとまず被相続人の財産を相続したいというのであれば、限定承認という方法があります。

限定承認は、相続で得たプラスの財産の限度でマイナスの財産を引き継ぐというもので、仮に保証債務があったとしても、負債の方が大きくなるという事態は避けることができます。

住宅ローンがある場合

ほとんどの人は、住宅ローンを組む際に団信(団体信用生命保険)に加入しており、ローンを組んでいた被相続人が死亡したことを金融機関に連絡すれば団信により残ローンが完済されるため、住宅ローンがマイナスの財産になってしまうことはありません。

ただし、ローンの担保として土地や建物に設定されている抵当権の抹消の手続きを行う必要があります。

また、団信により残ローンが支払われることを知らないまま、相続人が返済を続けてしまうというケースもあります。団信による完済を受けたり、抵当権の抹消に必要な書類の発行を受けたりするためには、ローンを組んでいる金融機関に連絡しなければなりません。

借金が多く、プラスの財産がない場合

遺産を相続する場合、マイナスの財産も相続しなければなりません。

被相続人に多額の借金があるなど、プラスよりマイナスの財産の方が多い場合、相続人が負債を引き継ぐことを回避するために相続放棄を行うことも検討しなければなりません。

相続放棄は被相続人の全ての財産について受け継ぐことを放棄することで、手続きを行えばプラスの財産も相続できなくなりますが、借金等の負債を引き継いで返済する必要もなくなります。

財産目録の作成について

財産目録とは、被相続人のプラス及びマイナスの財産の全てをまとめた財産の一覧表のことです。

遺産分割や相続放棄の手続上必要な書類というわけではありませんが、遺産分割や相続放棄について検討する際には財産の価額が一目でわかる資料が必要となるため、作成した方がよいです。

作成にあたっては、財産を大きくプラスとマイナスに分けた上、プラスの財産については不動産、預貯金、株式、その他の動産…といったように項目を分けることで、わかりやすい表を作ることができます。

相続財産調査は弁護士へお任せください

遺産の分割を受けるべきか相続放棄すべきかを判断するにあたっては、まずは相続人の財産がプラスとマイナスそれぞれいくらあるのかを把握することが必要です。

また、ご自身が相続放棄すべきか否かを判断したり、相続人同士で遺産分割協議を行ったりするための資料として、被相続人の財産を分かりやすく一覧にした財産目録の作成は必須といえます。

相続財産調査や財産目録の作成はご自身で行うことも可能ですが、中には煩雑な手続もあり、慣れていなければ作成に手間取ることも多いと思われますし、必要な作業が正しく出来ているのかという不安も出てくると思われます。弁護士にご依頼いただければ、そういった煩雑さや不安から解放されます。ぜひご相談ください。

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この記事の監修

弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所 所長 弁護士 西谷 剛
弁護士法人ALG&Associates 姫路法律事務所 所長弁護士 西谷 剛
兵庫県弁護士会所属。弁護士法人ALGでは高品質の法的サービスを提供し、顧客満足のみならず、「顧客感動」を目指し、新しい法的サービスの提供に努めています。
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